公開日:2026/07/05

更新日:2026/07/05

  昨日村上春樹の長編小説の最新刊「夏帆」が、7月3日に数年ぶりに発売されました。早速次の日の研修の帰りに、上野の三省堂に買いに行きました。アマゾンで購入しようかと迷いましたが、直に出来立てほやほやの本を本屋で手にしてたほうが、自己満足感が高まりそうだと思い、こう行動しました。研修は壁紙復元塗装でしたので、服と腕は塗料だらけでしたが、お構いなく人の多い書店で並んで、難なくゲットしました。買ったのはいいのですが読みだしたばかりです。今週は研修最終週で、テストや課題が多く、読書に集中できる環境ではありません。今ブログを書いていますが、これも課題の一つです(泣)。

 村上春樹の作品で一番最初に読んだのは「1Q84 」で、好きになった最初の作品です。一押しの作品です。青豆という女性と天吾という男性が、それぞれの不思議な世の中(?)でいろいろな体験をしながら、徐々に二人の物理的な距離が近づき、出である会う?みたいなストーリーです。

 村上作品は読み始めると、一気に引き込まれます。「街とその不確かな壁 」「騎士団長殺し」「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 」「海辺のカフカ 」「ねじまき鳥クロニクル 」「ノルウェイの森 」。これらの細かい詳細は、覚えていませんが、どの小説も場面設定は私たちが普段目にする光景であるのですが、そこからじょじょにその日常の世界に不思議な世界がじわじわと入り込んでくる感じです。登場人物の感情や気持ちの表現が、他の作家より端的で、納得感があります。一文一文も短く、難しい言葉も出てきません。また、比喩の方法が独特です。また、よく深い意識の暗闇が登場します。今回の「夏帆」もそのような意識の暗闇(混濁)が登場します。

 次のおすすめはエッセイ「走ることについて語るときに僕の語ること 」です。マラソンをしている私にとって刺激的な本です。 

 マラソンをやっているとよくやるねとか、走っている間に何をかんがえているの?みたいな質問をよく受けます。確かに毎日走るのは大変です。私は朝に走るタイプですが、起きたときは今日は休みたいなと思うことも結構ありますが、しかし、走るとその日の活動のスイッチが入ります。疲れているはずですが、その日は逆に活動的に前向きに働けます。疲れて仕事ができないということはありません。頭がさえるように感じます。ネガティブな思考も浮かびません。他人の目が気にならなくなります。

 この本は自分が漠然と感じていたことを代弁してくれます。著者もアメリカのマラソンに定期的に出場しており、走ることとが作家活動につながっていることが、独特かつ自然に描かれています。

 もひとつおすすめを上げるとしたらノンフィクション「アンダーグラウンド 」です。かなり分厚い本で読み始めたときは最後まで読めるか不安になったのを覚えています。内容は1995年3月に発生したオウム真理教による「地下鉄サリン事件」の被害者(駅員や乗客)に一年をかけて直接インタビューしたものです。被害者一人ひとりの思いが村上春樹らしく中立に描かれて、人間の本質のようなものを感じることができました。

 村上春樹も現在77歳で長編はなかなか出てこないと思います。今回発売された「夏帆」を慌てず、じっくり味わいたいです。今回のほんの私たちへのメッセージはなんだろう?